『僕、春を見つけに行くね!』
ペンネーム:かりんとう
幼稚園に入ったばかりの長男が、幼稚園から帰ってくるなり大急ぎで園のかばんを玄関に放り出して「僕、春を見つけに行ってくるね!」と言って、家を飛び出して行きました。
一時間ほどして帰って来た長男に「春は見つかったの?」と私が尋ねると長男は額に汗を滲ませながらニコッとほほ笑み小さな左手を突き出したのでした。そこにはたくさんの黄色いタンポポが握られていました。
タンポポのすてきな花束は、小さなビンに生けてそっと食卓のテーブルに飾りました。長男の笑顔とタンポポで、わが家の食卓に春がきたようでした。もちろん、夕食時の話は「春」でいっぱいになりました。