『愛』~愛はコミュニケーション~

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特集『愛がいっぱい』

『時を重ねて』

ペンネーム:なずな

挿画1 結婚当初のこと。朝食に出した目玉焼きを、主人がパンでつぶしたのを目撃した私はあっけにとられ、思わず怒ってしまった。「せっかくの目玉焼きを!?」

 このことがきっかけで、主人の何もかもが気になるようになり、
「結婚する前はあんなに仲良しだったのに……」
と思い描いていた結婚生活とは違うことに、ちょっとした不満が芽生えた。

 些細なことでのけんかが続くようになったころ、仲良くしたいけどどうやったらいいのかと考えていたら、思わぬところから答えが返ってきた。
“結婚したては仲が悪くて当たり前。元々他人同士がくっついたのだから、これからたくさん時間を重ねて、話し合って、どんどん近づいて、夫婦っていうものはこうして仲良くなるものだよ”と。

 新婚時代が一番仲の良いころと思っていた私には衝撃の一言だった。それから十数年。あの時からどのくらい仲良くなっただろう。仲の良さは計れないけれど、主人と共に過ごすことのできる喜びはあの頃には味わえなかったものだと感じる。

 面白いことに、あの「目玉焼き事件」は、今でも時々酒のつまみとなってあちこちの席で披露され、皆の笑顔を集めている。


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