『ドリトル先生アフリカゆき』
あれはたしか私がまだ小学3年生のころ、学校の図書室で出合った一冊。
柔らかな日差しが降り注ぐ室内で、ひときわ目を引く本だった。
それは、オレンジ色の色彩でデザインされた表紙が鮮やかな、「ドリトル先生アフリカゆき」。
思わず手を伸ばした私には、とても大きくずっしり重たい本に感じられた。それでも持ち歩くだけで、ちょっと大人びた気分になって、うれしかった。
早く本が読みたくて、放課後一目散に家に帰ったことを思い出す。ページを開くと、そこには動物たちをこよなく愛する、ドリトル先生の不思議な世界が広がっていた。
オウムのポリネシア、アヒルのダブダブ、ブタのガブガブ、犬のジップにサルのチーチー、アヒルのトートーたち・・・気づくと、私はドリトル先生と動物たちとの冒険にどっぷりと浸っていた。
ママになってホヤホヤだった頃のこと、娘を連れて通っていた図書館でこの本と再会した。
でも、まるで月日の流れを物語っているかのように、表紙のオレンジ色はもうすっかり色あせてしまっていた。そしてあれほど大きい本だと感じていたのは、私があの時それほどまでに小さな子どもであったからなんだと気づくのに、時間は必要なかった。
なんだか急にいとおしくなって本を抱きしめ、思わず一人苦笑してしまった。
たまにはちょっと一服して、物語の世界も楽しんでみませんか〜。
幼かった頃の思い出の本にも、何か新しい発見があるかもしれませんよ。
大好きなママが読み聞かせてくれるやさしいぬくもりは、お子さんの心にきっと安らぎを与えてくれるはず。
ママの思い出も一緒に添えて、親子でお話の花を咲かせませんか〜・・・おはなししましょ!!
『ドリトル先生アフリカゆき』
ロフティング | 著 |
井伏鱒二 | 訳 |
岩波書店 | 発行 |