『すてきな三にんぐみ』
あらわれでたのは、 くろマントに、くろい ぼうしの さんにんぐみ。 それはそれは こわーい、どろぼうさまの おでかけだ。」 |
(本文より引用) |
今から15年以上前のこと。
毎晩「おやすみなさい」の前に、わが家で繰り広げられたお話の世界。
そこには決まって「すてきな三にんぐみ」がやって来た。
なんてったって、子どもたちの大のお気に入りの一冊だったから。
「おどしの どうぐは みっつ。 ひとつ、ラッパじゅう。 ふたつ、こしょう・ふきつけ。 そして みっつめは、まっかな おおまさかり。」 |
(本文より引用) |
まだたどたどしい口ぶりだったのに、いつの日か一字一句すっかり覚えてしまって、私が読み出すと一緒になって空(そら)読(よ)みしていたっけ。
口の回らない長男はいつも「おおまさかり」が言えなくって・・・なのに大いばりで「おおまかり~」って喜んでいたっけ・・・
なんて一人でほくそ笑んでいたら、そこへひょっこり長男がやって来て、「あっ、この本…」と懐かしそうに手に取ったと思ったら、「えっ?こんなにちっちゃかったの??」とぼそっとつぶやいて、あの頃とは比べものにならないほど大きくなった手の上で、ゆっくりと思い出に浸るようにページをめくった。
今、この本はさらに親子で忘れられない一冊となった。『すてきな三にんぐみ』
トミー・アンゲラー | 作・絵 |
今江 祥智 | 訳 |
偕成社 |