『世界で一番美しい元素図鑑』
ある日のこと、「本日のミッションは、本探し!」と、夫と意気込んで街へ繰り出した。
「今まで見たこともないくらい”美しい元素の図鑑”が出版された」との情報だけをたよりに”ない本はありません”がうたい文句の書店を目指してまっしぐら。
お目当ての一冊を探す。 このドキドキ感ったら、たまらない。
これ、これよ〜、みっけ!
その本の名は「世界で一番美しい元素図鑑」。
表紙を見たとたん、一目惚れだった。
ページをめくるごとに、無機質であるはずの元素が次々と優美な姿で現れる。
目に飛び込んでくる輝き。ふと英語の授業で習った"beyond description"
なんて熟語が頭をよぎるほどにス・テ・キ!!
すい、へー、りー、べ、ぼくのふね
ななまがり、シップス、クラークか
中学生だったとき、元素記号をひたすら丸暗記したことを思い出す。
無味乾燥な言葉を並べて、頭にたたき込んだっけ。もしあの頃に、この本と出合えていたらなぁ……。
すっかり虜(とりこ)となった本の魅力に、酔いしれていく。
硬〜い表情だと思っていた元素と、仲良くなれそう!!と素直に思えた瞬間だった。
『世界で一番美しい元素図鑑』
セオドア・グレイ | 著 |
ニック・マン | 写真 |
若林文高 | 監修 |
武井摩利 | 訳 |
創元社 | 出版 |