【愛のコミュニケーション講座】
『第6話』
アイミは、大学一年生。みんなから、親切な子と言われてきました。
どうしたことか、最近不眠が続いています。アイミはエルミに相談し、ハッピ−おじさんのところを訪ねました。
〓ハッピーおじさん相談室〓
たまたま、アイミの席の隣に座ってきた男子学生から話し掛けられたのをきっかけに、男子学生は、アイミを見つけては話しかけて来るようになっていました。
大学に入学したばかりで、大学生というワクワクした気持ちでいたアイミは、持ち前の親切心で話し掛けられるままに聞いていました。初めのうちは、授業のことが多かったのですが、だんだんと彼は自分の不安な気持ちを話すようになってきたのです。アイミは戸惑い、最近は不眠が続いています。不眠になるまでの経過をハッピーおじさんに話していくうちに、「自分の表現をしていない」ことにアイミは気づいたようです。一方的に彼が話し掛けてくることに悩んでいましたが、自分の方も一方的に聞くばかりで、彼の方にも戸惑いがあったのではないか、ということにもアイミは気づいたのです。そして、翌日話し掛けてくる男子学生に、「クラブに行くので」と伝えたところ、あっさりと彼も別な所に行き、これまでの悩みになっていた気持ちがなくなりました。夜もよく眠れるようになったようです。
アイミは、親切な子と言われてきたことにとらわれて、遂に聞いてあげないといけないという強迫的な気持ちに陥りかけ、不眠に見舞われていました。自分の立場や気持ちを表現することがなければ、相手にも戸惑わせてしまうことがあると、本当の親切になるための貴重な体験をしたと言えるでしょう。