【愛のコミュニケーション講座】
『第9話』
エミは、母親と二人暮らしで、とても仲の良い親子で知られていました。高校3年生になった時から祖母が同居し、3人家族になりました。同居して3か月、最近何か気分がすぐれません。エミの様子を心配した母親の薦めで、ハッピーおじさんを訪ねています。
〓ハッピーおじさん相談室〓
エミは、自分の気分がどうすぐれないのかを話せないでいました。
ハッピーおじさんは、最近の出来事について聞いてくれました。やがて、3か月前に祖母が同居したことに触れました。
ある朝のことです。偶然三人が一緒に洗面をすることになり、ほんの一瞬、母親と祖母とどちらに先に声掛けをしたらよいか戸惑ったのです。実は祖母が同居してからずっとあった戸惑いでした。
気兼ねのない3人のはずが、話をしているうちに気兼ねをしていた自分に気付き、「どっちだっていいんだ」という気になれたようです。
ハッピーおじさんに話をするうちに、エミは母親のことも祖母のことも大好きな自分の気持ちを確認でき、意外と気兼ねをする自分を「ちょっとカワイイかも」と感じられたようです。
“人は人を通して人になる”と言われます。祖母との同居はエミを少し大人にしてくれたようです。